【亡国のイージス】今こそ読んで欲しい、福井晴敏の大作!

どもども!
福井晴敏作品は、映画より小説の方が圧倒的に優れていると思うあき99です。

想いが錯綜している。

守るべきものは何か?
この作品を読みながら俺が感じていた事だ。
作品の舞台は、海上自衛隊のミニイージス艦。そして、 その艦を中心にして渦巻く国際謀略に関わる人々。

自衛隊は国を守る組織。俺は漠然とそう思って生きて来た。いや、心の奥底では軍隊だと思っていたのかもしれない。でも、 日本国の見解としては、自衛隊は軍隊ではない。
トランプ大統領が誕生した今、改めて米軍基地の存在が問題になっている。日米安保条約にも疑問符が投げかけられている。だが、日本が米国の傘の下から離れ、 一国家として一人立ちした時に、それでも軍隊ではなく自衛隊のままで存続出来るのか?専守防衛を貫けるのか?
その曖昧な存在の自衛隊をこの作品は正面から見据えている。
そして作者は問う。この国の行く先を。

日本の平和憲法の精神は尊いものだと思う。だが、テロが渦巻き戦火が絶えない国際情勢の中で、 日本だけがぬるま湯的平和を何時までも享受出来るのか?
しかしだからと言って、今すぐに米国の傘の下を脱して自衛隊を軍隊にせよと声高に叫ぶだけの思想は俺にはないし、安倍首相がそのような方向に舵を切るのではないかと内心不安に感じてもいる。
もちろん、 今の日本にすぐそんな事が出来るとは思えないが。

俺は日本に生まれ育ち、この国の国籍を持ち生きている。サッカーやオリンピックでは日本代表選手を力の限り応援する。やはり、 愛国心はあるのだろう。そしてその感情は、どの国の人々にも共通の感情だと思う。だが、 そこに過去から連綿と繋がる怨恨の連鎖が火を点けた時に戦火が弾ける。もちろん、民族間の怨恨も同様だ。 これから世界を平和に存続させる為には、その連鎖を一つ一つ断ち切っていかなければならないだろう。日本はまず、アジア諸国に根強く残る、 対日感情を解きほぐして行かなければならないと思う。そう簡単には行かないだろう。でも、国家のプライドや打算を捨てて、 行った事は素直に認めて謝り、戦後から今までの様にこれからも侵略戦争は絶対に起さないと約束すれば、相手も同じ人間だ。 分かってくれるのではないか?やはり、それは甘い考えか?とにかく、日本政治の行く先を見続けようと思う。

堅苦しい事を長々と書いてしまったが、この作品はエンターティメントとして超一流だ。前半で、これでもかとばかりに張り巡らされる伏線と謎。 そして、後半に入ると事件が一気に動き出し、結末に向けて怒涛のごとく突き進んでいく。そこには、 面白い小説を読むカタルシスが詰まっている。人々の悩み、意思、葛藤、打算、勇気、憎しみ、開放、あらゆる感情が紙面を埋め尽くしている。
その中で、凄惨を極める光景が次々と展開して行く。
しかし、読了感は海から昇る朝日を見る様に清清しい。
そして、胸の中に何かの塊を残して行く。

今の日本人に読んで欲しい。感想はそれぞれだと思う。でも、読んで欲しい。

ではでは。

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